南伊豆 関邸
 横須賀 斉藤邸
 大原 デターク福田邸
暮らしを訪ねて


200年住宅 暮らしをたずねて ヤン・デタークさんはベルギー出身。日本人の奥様、そして子ども達とともに、横浜でマンション暮らしをしている。 日本の住宅は、統計的な平均値でみれば欧米並みの床面積を達成している。しかしヤンさんによると、「日本の住まいでまず感じるのは狭いこと」だという。マンション暮らしをするなかで、必然的に、広い土地、大きな家に住みたい想いを募らせた。 およそ2年前、ゆとりある敷地と住まいを求めて、千葉県の房総半島でセカンドハウスとしての物件を探し始めた。 最初から古民家を希望していた訳ではない。が、物件を探していくなかで、古民家を見る機会にも恵まれた。 そして出会ったのが築100年は経つであろう今の古民家だった。

「海からは少し離れますが、まずロケーションが気に入りました。敷地も広いし、家も大きい」点が大きな決め手の一つになったらしい。 敷地面積は山林など入れて約8000平方b。建物の床面積は、新設した2階部を含めて、約190平方bになる。 物件を購入するにあたり、「古民家だから、という抵抗もまったくありませんでした」という。 物件探しは当然ながらいわゆる中古物件も見て回った。しかし、築15年程度だと外観の汚れや傷みが中途半端。 リフォームしないと住みたいとは思わない。が、壊すところまでもいかない。

「日本では、新築マンションでも買って1年で販売価格が下がってしまいます。 反対に100年以上経っていたら、もう下がりようがないと思いましたね。 築年数の古い物件は、アンティークとしての価値が出てくるのではないかと思うのです。 部材も、昔のものの方が、シンプルで丈夫なものを使っていますから、再利用がしやすいと思います」。 新築住宅の価値が1年で下がる日本の住宅市場は、やはりおかしい、のだろう。 広い敷地、大きな住宅、しっかりした部材…ヤンさんが古民家を選んだのは、偶然ではなく必然だったのかもしれない。

200年住宅 暮らしをたずねて 築100年ほどの古民家は、活かせるところは活かして、再生した。 屋根は藁葺きから鋼板に全面的にやり直した。 「冬はストーブ一つで過ごせるように」と断熱性は重視した。屋根にも当然ながら断熱材を入れ、サッシはすべてドイツ製の木製サッシに。壁にも改修箇所には断熱材を入れた。既存の土壁でまだ活かせるところは、そのまま残した。 1階の間取りは購入時とまったく変わっていない。ただし、キッチンや風呂などの水回りは、現代の設備を取り入れた。 子ども部屋が欲しかったため、屋根裏はその一部を居室に、そして一部は吹き抜けにした。 「腕のいい大工さんに恵まれましたね。設計をしてくれた古民家センターの村田さんにもお世話になりました。思った以上によく出来たと思います。不満はありません」。満足度は高いという。

基本的に、平日は横浜のマンションで過ごし、土日はこの再生古民家セカンドハウス≠ナ過ごす。 でも、なぜセカンドハウスを求めたのだろうか。話を聞いていくと、祖国ベルギーにおけるヤンさんの暮らし方とも深いところで関係しているようだ。 ベルギーではヤンさんの家族もまたセカンドハウスを所有していたという。

「小さい頃は、私も家族と一緒にセカンドハウスで過ごしました。これが楽しいんですよ。 子どもの頃のいい想い出になっています。だからそれを自分の子どもたちにも体験してもらいたいのです」。 200年住宅 暮らしをたずねて 設計を手がけた古民家センターの村田米穂代表によると「私も竣工後の物件を見に行きますが、 ご自身でもいろいろ手入れをしているのがわかります。 子どものためにブランコをつくったり、外構を整えていったり。感心します」とのこと。 そしてデターク・福邸でこれから創られる家族の楽しい想い出は、ヤンさんの子どもを通してまた、次の世代に引き継がれていくのかもしれない。 「セカンドハウスについては、CMじゃありませんが、お金で買えない価値≠買ったようなものですかね|」。かなり堪能な日本語でこう話してくれた。


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