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現存する住棟は19世紀末から20世紀の初頭に建設されたものが多いが、古いものは300〜400年を経ている。平均階数は5階位であるが、中には8階建てで、高さが30mに及ぶものもある。建物は、玉石を石灰で固めた基礎の上に、藁と粘土を捏ねた日干し煉瓦を積んで造られる。壁面には厚さの異なる日干し煉瓦が使用され、壁厚は1階部分では1m近くもあるが、上層階にゆくに従い薄くなり、最上階では30p程になっている。壁面の表面を土で上塗りしているが、上層階と足元部分には石灰を重ね、雨による浸食を防いでいる。 ![]() 建物の外壁が城壁のようにそびえる 内部は1、2階が家畜小屋と倉庫で、3階に男性の接客の部屋がある。4階から上は家族のためのスペースで、女性や子供は普段はここで生活している。厨房もこのゾーンにある。最上階の1〜2層は抜群の眺めの居間で、ルーフテラスが付属している。ルーフテラスのパラペットには、女性が顔を見られることなく街路を見下ろせる覗き穴がいくつも設けられている。この穴から来訪者の身元を視認すると、階段室につながる紐を引き、1階の入口の扉の閂をはずす仕組みになっている。屋上には隣家に繋がる緊急用の避難路もあり、各住棟は空中に巡らされた秘密の通路により結ばれている。 住棟の下層階には窓がない。しかも、外周部に立つ建物は、正面が町の内部に面するように造られている。そのため、外観は閉鎖的で、住居の壁面が城壁のように屹立している。土色の壁は威圧的で、城塞都市と呼ぶのにふさわしい堅牢な構えであるが、白く冠雪したような住棟の佇まいには、土の結晶とでもいうべき精緻な透明感がある。
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